奇跡の「100歳」

 町田市南村 小川地区(現 町田市つくし野)に「奇跡の人」と呼ばれる今年100歳になる女性がおります。みかん作りや、ブルーベリー作りを50年以上前にからはじめ、珍しい果実も好きで、フェイジョア、子供の顔位の大きさの獅子柚子、キュウイフルーツ、デコポン 、アケビ等も今では当たり前だが50年前に1本のみかんの苗木を譲ってもらい始めたのが切っ掛けです。
 歳を重ね80代で脳梗塞ヘに、重度の半身麻痺となり一生歩く事も無理と医者から判断されても、笑江も家族も諦めずに病院を変え、治ると信じて毎日リハビリを繰り返しました。子供達も孫も毎日時間帯を決めて病院に訪れて、手 足 口と同じ時間に、それぞれの箇所の担当を決め繰り返しリハビリを繰り何日も返し続けました。その後もリハビリ病院に転院し、朝から晩までリハビリを受け4か月後には退院、自宅の庭先の果実の木の前に立ち、 大好きな草むしりが出来るまでに回復しました。作業中に何度か転倒し、骨折(左手首，右肩、背骨）を繰り返しましたが、直ぐに治をり、懲りずに又草と戦い続けました。
 
 99歳4か月 の2024年11月20日朝3時に1人でお風呂に入ろうと湯船に頭からダイブしてしまいました。運よく駆け付けた同居の息子さんに助けられ一命は取り留めました。ダイブした理由は…「水曜日はデイケアでお風呂に入れて貰う日」なのですが、その前に女性のエチケットとして自分で髪を洗い身体を洗って身支度をしている途中で力尽きて、湯船に頭からダイブ…した時に息が出来ずに足をバタバタし、もがき苦しんだ時に股関節を骨折、大腿骨も破損をしてしまいました。直ぐに救急車を呼び呼吸は戻ったが救急病院は行かないと拒否、自宅に居りましたが11月21日に足が打ち身だけでなく動かない事に異常を感じ町田市小川にある慶泉病院に息子さんと行検査に、MRI の検査結果では股関節が折れ、大腿骨も破損ている事が判明緊急手術が必要と判断されました。
 しかし重い心臓弁膜症で弁膜の大動脈が麻痺気味、慶泉病院での手術を取りやめ、昭和大学 藤が丘病院に紹介状を手に外来に回った。運よく22日金曜日の午前中に到着 整形外科医の判断「年でこのまま手術をしないで折れたままで生きる事を選ぶか、股関節ににパイプを入れる手術をするか …しかし年齢も年齢だけに、成功する確率は低いが手術するかの…2択を選択するように言われた。笑江は即答で手術を選んだ。」2時間と言われた手術も5時間近く掛かり、笑江さんの息子さんはもう生きて会えないと諦めていたが、看護師に呼ばれ３階の手術室の前ヘ…手術室の自動ドアが開き満面の笑みの笑江は手を少し上げて出てきた。
 医師からは「手術は成功した。」と、しかし、術後もの細菌感染やせん妄等の危機が有ったが、それも乗り切り無事に退院、大好きな自宅に戻って来た。振り返ると全てが運よく運んだ。6階の整形外科病棟 ナースステーション隣りの部屋は45年前に笑江さんの夫が癌で亡くなった部屋だった。「約半世紀前に死んだ夫の勇さんも力を貸してくれたのだろうか…。」
 
笑江さんは神奈川県旭区上川井町の地主の長女として生まれ育った。笑江さんの父親は破天荒な性格で バイオリンを習ったり、英語を学んだりと、その子供達は笑江を筆頭に5人兄弟 長男は広大な土地を引継不動産業や賃貸業を中心に広大な山林を切り開き土地の開発にも力を注いだ。次男は釣り堀屋を自分で作ったりと自由気ままな性格、3男は会社を設立して自動車学校6校とホテル付きの自動車合宿所を3校、自動車修理専門学校を設立して実業家になった。一番年下の妹は戦後の日本には女性の社会進出が出来ないとアメリカに渡り結婚、2人の子供を育て大学を出席で卒業させNASA(アメリカ航空宇宙局)に入れた。今は冬はマイアミに暮らし春から秋はデトロイトの山に孫たちと暮らしている。
 
そんな笑江は町田の大地主の嫁を希望し 嫁ぎ、夫の弟3人を大学卒業まで面倒を見て、その後も夫の両親の面倒を見ながら家業を手伝っていた。
 夫の両親の死を看取り子供も4人目が生まれ頃に造成工事が始まり、後につくし野駅が出来た。
 
東急電鉄社長から「テニスの似合う街作りに協力して欲しい」とつくし野4丁目駅前に5面半とクラブハウス 駐車場を備えた2000坪の会員制クラブのつくし野テニスクラブ有限会社を夫の勇さんと一緒に始めた。
 オープンして僅か7年目でご主人の勇さんの癌が見つかり昭和大学 藤が丘病院に入院、癌が身体じゅうに転移して2年半の闘病生活後の50代で息を引き取った。
 
その後にテニスコート駅前の広大な敷地を夫の勇さんの相続で売るつもりで準備を進めていたが、時代はバブル期へ、駅前の土地は坪60万から2倍から更に5倍、8倍へと跳ね上がった。他の土地は 土地を守る為に宅地から果樹園ヘと地目変更し相続税を軽減、4丁目のテニスコートの土地は3丁目や2丁目の土地を売却してテニスクラブの敷地を守る事が出来ました。
 その後後を継いだ末っ子の匡秀さんが残ったテニスコート2面をテニススクールに変え後に1面を増やして現在は3面のインドアテニスコートに切り替えスクール制の「つくし野テニスカレッジ」を1991年にオープン、翌々年1991年には「つくし野英語学院」をオープンさせた。35年経った現在も多くのスクール生徒さんで賑わっています。
 
 時の流れに身を任せ必至に働き続けたら2025年6月29日に100歳を迎えます。
 笑江さんの意思を引き継いだ「つくし野駅前みかん農園」、に引き続きつくし野3丁目から自宅の2丁目に50年来の苗木を150本移転した「つくし野2丁目ブルーベリー農園」を昨年2024年夏に開園した。
 
農園は笑江の愛情一杯で無農薬有機栽培を貫き通し「自然の摂理に基づいて！」…「土壌を健康にする」ことが一番との考えは、それは今も変わらない。
笑江さんの人生も運命の流れに逆らず、幸も不幸も拒まずに自然の摂理に基ずいて生きている。